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脅威の固定スプレッド!!

2022年6月17日金曜日

6月2週 天然ガスまとめ

おはよう。

今週の天然ガスは,開いた口が塞がらない相場。-16%超の下落から,半値戻して,さらに半値下げているので,もう笑えない。下落の発端は,アメリカのガス精製プラントが予想よりも早い回復の見込みが見込まれたことによる。

これによって,大きな下落幅を記録し,まさにアルトコインのような動き。その後は,結局ウクライナ情勢に左右される展開となり,欧州のガス供給懸念から,つられ高となった。

結果として,昨日の在庫統計を受け、8.0までの上昇から7.4台までの下落となった。

長期的なトレンドからも下落にようやく入っているように見えてきたので,前回の高値9.6台がトップとして動いていくと良いのではなかろうか。ウクライナ情勢は継続するとして,ハリケーンシーズンに入ること,冷房需要シーズンにはいることから,涼しい天気予報や理由のない下落では買っていきたい。

さて,昨日の在庫統計はどうであったか。

・The Deskが行った天然ガスアナリストの調査によると,週明けの可動式天然ガス在庫の純増減の予想は79Bcfから96Bcfの範囲で,中央値は90Bcfとされた。

・6月10日に終わる週の貯蔵所への純注入量は92Bcfとなり,5年間(2017-2021)の平均純注入量79Bcf,昨年の同じ週の純注入量28Bcf。稼働中の天然ガス在庫は2,095Bcfで,この時点では5年平均より323Bcf,昨年より330Bcf少なくなっている。

・貯蔵庫への平均注入量は,補充期(4月~10月)のこれまでの5年平均を6%下回っている。仮に,残りの補充期において貯蔵庫への注入率が5年平均の8.6Bcf/dと同じであれば、10月31日の総在庫は3,322Bcfとなり,この時期の5年平均3,645Bcfより323Bcf低くなる。

・Bloomberg Finance, L.P. が提供した出荷データによると,6 月 9 日から 6 月 15 日までに 21 隻の LNG 船が米国を出航,合計 77Bcf の LNG を積載していたことが判明した。ヒューストン南方のテキサス州クインタナ島にあるフリーポートLNGは、6月8日に火災が発生し操業を停止したため、今週は出荷がなかった。

・PointLogic のデータによると,米国の天然ガス総消費量は前週比 8.5%(5.3Bcf/d) 増となった。週平均気温は,米国南部で概ね高く,一部で平年より低い気温となった地域を除き,ほとんどの地域で平年より高い気温となった。電力部門は,空調需要の増加により,前週比17.6%(5.7Bcf/d)増となり,最も大きな消費量の変動を占めた。一方,産業部門は前週比1.5%(0.3Bcf/d)の減少,家庭・商業部門を合わせた消費量は0.7%(0.1Bcf/d)の微減となった。

・PointLogic のデータによると,米国全体の天然ガス供給量は,前週比0.8%(0.8Bcf/d)微増の101.7Bcf/dとなった。乾式天然ガス生産量は95.5Bcf/dと横ばい。

・ベーカーヒューズ社によると、6月2日(火)に終わる週の天然ガスのリグ数は151基で1週間前と同じだった。

以上だ。

こうしてみると,昨年の在庫の増加量を超えており,米国での天然ガスの過剰在庫が見えてきてもいる。まだまだ平年に比べると在庫量は少ないものの,今後もこの生産が維持されれば,徐々に在庫量も平均的な量になるのではないだろうか。

今後注意しなければならないのは,在庫量の増加がこのまま維持されること。維持されるのであれば,欧州の懸念によりある程度高止まりはするものの,ウクライナ情勢の緩和により16%越えの下落はあり得る。

いつまで続くかは分からないが,両建てを考慮して,戦略をたてていきたい。


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