おはよう。
昨晩はやや強い在庫統計を受けて,天然ガスは下落している。もともと日本時間より下落傾向にあり,一時的にヨーロッパの時間で値を上げていたが,売りに押され,そのままずるずる下げた流れになっている。
この後の動きというのは非常に悩ましなやましいのだが,現在四時間,日足をみるといわゆるダブルトップのネックライン上にいる。週末は利益確定やポジション整理がされやすく,ここのところ価格を下げて終わることが多い。
一方で,ロシアも欧州の天然ガスの在庫を増やす動きがあり,全体的に下に向いて言うように思える。ただ,ここは感覚的なので,充分反転するような動きの可能性がないわけではない。
さて,データはどうであったろうか。
・天然ガスアナリストのデスク調査によると,稼働中の天然ガスへの毎週の純変化の推定値は,76Bcfから94Bcfの正味注入の範囲であり,中央値は87Bcf。注入量は合計87Bcfだったが,5年間(2016〜 2020年)の平均正味注入量は62 Bcf。昨年の正味注入量は32Bcf。という点から見ると,昨年や例年以上に増加していることがわかる。稼働中の天然ガス在庫は合計3,548Bcfで,これは5年間の平均より126 Bcf低く,現時点では昨年より403Bcf低くなっている。
・貯蔵庫への平均注入率は,この補充シーズン(4月から10月)のこれまでの5年間の平均よりも5%低くなっている。貯蔵庫への注入率が残りの補充シーズンの5年間の平均5.0Bcf / dと一致した場合,10月31日の総在庫は3,593 Bcfになり,5年間の平均3,719より126Bcf低くなるが,全体的に増加しており,このように低くはならないと思われる。
・IHS Markitのデータによると,米国の天然ガス総需要は週ごとに4.8%(4.1 Bcf / d)増加した。これは,前のレポート週の2倍以上の増加となった事になる。
・天然ガスの週平均消費量は、すべての最終用途部門で増加した。
・需要の最大の増加は住宅および商業部門であり,国が冬の暖房シーズンに移行するに つれて、24.3%(3.4 Bcf / d)増加した。気温は下がっていますが、暖房シーズンの開始は通常の天候に比べて遅れている。
・NOAAレポート五大湖地域と西海岸を除いて,今週のレポートでは,国の大部分で通常より高い気温が予想されている。。発電用に消費される天然ガスは,週ごとに2.0%(0.6 Bcf / d)増加し,産業部門の消費量は,週ごとに1.0%(0.2 Bcf / d)増加した。
・IHS Markitのデータによると,天然ガスの平均総供給量は,前週の合計98.1Bcf / dと比較して1.4%増加した。カナダからの平均純輸入量は先週から1.1%増加して5.8 Bcf / dとなり,2021年2月の第3週以来の最高の週平均だった。
・Baker Hughesによると,10月19日火曜日に終了する週に,天然ガスリグの数は1から99に増加した。
以上だ。
全体的に見れば,暖冬であり,生産量が増加傾向にあることがわかる。後は強い寒気が流入しないことがクリアできれば,天然ガスはこのまま落ち着いてくるのではないだろうか。